3連休も最終日ですか。
そうですか・・・
いろんなところで、
「ラジオ、特にAMの存亡について」
語る人々が多いんだけれども。
http://kiri.jblog.org/
http://www.tom-style.net/mt/
普通に考えれば、
ラジオが世にある全娯楽の中で占める地位というのが、
他メディアの勃興とシェア増により死につつあるだけのことなのだろう。
そしてそのことに、広告主やら視聴者やら皆々様が覚醒しただけのことなのでしょう。
かつてラジオが登場した80年前。
マスメディアとして機能していたのはまだ新聞紙くらいだった1925年。
耳をすませば聞こえてくる情報の泉として、
ラジオが脚光を浴びたのは自然なことだった。
そして普及につれて受信機の価格も下がり、
全国に広がる一大メディアとなったわけだ。
いかにラジオが聞かれていて、いかにラジオがメディア界の王様だったかは、
かの米国で勃発した「宇宙戦争」事件を考えてみればわかるだろう。
ラジオのドラマ放送で、火星人による地球侵略のリアリティーっぷりに事実と誤解した
全米が泣いた 全米120万人がパニックに陥った例のアレですね。
1938年10月30日の夜に、起きたこの事件。
先日NHKが、携帯向けニュースサービスで
「新宿駅陥没」やら「山手線炎上」といったテスト原稿を誤配信した件も、
情報ソースが数限りなくある現代では
「みなさまのNHKがまたやっちまっただよ・・・」
程度の笑い話で収まったが、
これをもし、昭和20年代以前の日本、ひょっとしたら東京オリンピック以前の日本で
かましてたら、
全米が泣いた大騒ぎで死人すら出たかもしれない。
話を戻そう。
動きのあるところに技術は集まり、ソニーのトランジスタ技術等々革新の嵐が
ラジオ端末にも訪れ、ラジオを聴く場は、居間にとどまらず
車での移動中、農作業中などなど、さらに拡大していくこととなる。
とまあ順調に見えたかのようなラジオ放送も、
映像を伴い、聴覚だけでなく視覚も同時に刺激できる次世代メディア端末、
テレビの襲来により、主役の座を追われることとなる。
とはいえ、メディアとしての役割を完全に失うことはなく、
電波さえ受信できればどこでも聞けるエリアフリーな点と、
メジャーからニッチへ移行したことで、
オールナイトニッポン等々、テレビでは不可能な
「濃い」かつ「ここにしかない」コンテンツを提供できた点がラジオを生かし続けた。
さて21世紀。
テレビはもちろん、ゲームもあれば、
ネットだってある。
個人の趣味嗜好、目的用途に応じて
だいぶメディアを使い分けられる時代になった。
意識しているかどうかは別にして。
自宅にいる限り、ラジオに割ける時間は残されていない。
では移動中はどうか。
電車や自転車の移動中なら携帯音楽プレーヤーがある。
ラジオが聞けるタイプも少なくないが、すべてFMチューナーのみ。
メーカーに聞くと、「AMのチップは技術進化が止まっていて、
携帯音楽端末に搭載するには大きすぎる。コストも高い」
そうで、今後もAM対応は出そうにない。
前出のメーカー氏も「そもそもニーズがないんですけどね・・・」
と言う。
残された最後の聖域としてのカーステレオも、
音声カーナビがいて、DVDがあって、さらに今後は
iPodを筆頭とする音楽プレーヤーがつながってくる状況下で、
生き続けられる見込みはほとんどない。
情報を得る手段として、能動的なものにはネットがあって、
受動的なものにはテレビがある。
そして、端末には多機能化を続ける携帯電話が鎮座おわします。
ラジオは、自分自身の「色」を見つける前に、
自己破産に追い込まれつつあるのでしょう。
米国なんかで比較的ラジオがまだ生き続けられるのは、
ジャンルごとに細分化されまくった、数多くの局が存在するからだ。
ゆうせんの番組ひとつひとつを、それぞれの局で
流しっぱなしにする感覚で。
諸般の事情でこれもできない日本のラジオ局にとっては、
切込氏の言うように、
対象をさらにニッチに細分化する、あるいは
ネットラジオでストリーミングってのも
ひとつの手だとは思うのですが・・・。
ちょっと読み返してみて中身が行ったりきたりでグダグダですが、
まとめると、
ラジオ低迷の理由としては
1、聞く時間も、場所も、シチュエーションもなくなってきた
2、携帯電話など、主役の端末が対応でしない
3、「ならでは」のコンテンツが少ない
となるでしょうか。
つまり、ラジオから得る必要のある情報がなくなった、ということでしょう。
しかしこれは、紙媒体としての新聞にも言え、
さらに一部雑誌にもあてはまるのではないかと。
しかも電通の発表した調査結果から考えれば、
2004年にラジオを抜いたネット広告費は、この勢いが続けば、2007年あたりには、
雑誌の広告費も抜きそうだ。
そうこうしてるうちに団塊世代がリタイア続出で新聞購読者も激減する。
ラジオの次は、紙媒体にさらなる寒波が襲来するのは避けられそうにない・・・。
がんばれ二ポーン放送!(なんでやねん)